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2012年6月21日 (木)

氷菓『愚者のエンドロール』シリーズ感想

 まだ終わって無いシリーズの感想なんで結構乱暴だけど、チト思う所が出来たので、少々
 私の憶測も交えてかなりのネタばれ(今回はバレサイト等見て無いです)が入ります

 本来、原作で云う『氷菓』は第1話~第5話(wiki情報によると1話Bパートは短編からの様だが)の原作部分で、シリーズ全体では『古典部シリーズ』と呼ぶのが通例らしい
 で、第8話~第9話(以下、第11話まではこの話が続く様だが、それ以降何処まで引っ張るか不明)が原作第2話である所の『愚者のエンドロール』と云う話のアニメ化である
(蛇足だが、第6・7話は短編集からのアニメ化で、やはり原作部分は有るらしい)

 さて、8話冒頭で入須が携帯メールでやり取りしていた相手は脚本家の本郷、その後のチャットにて会話していた「あ・た・し」なる人物は多分、折木姉と思われ
 『使い様に寄っては使える』旨評価されていたのが折木弟であるから推測できる
 で、将を射んと欲すれば…で馬になったのが『古典部』全員…と

 さて、旨い具合に古典部を連れ出して上映会…で、途中で終わる
 この映像で全てのヒントは有る筈だから、推理して犯人を選出して欲しい…と云う依頼
 脚本家が倒れたから続きを作るのに犯人が欲しい…との事
 折木弟の推理方法は、基本『真実を突きとめる』では無く『好奇心の鬼と化した千反田を納得させる理屈を考える』だったので、有る意味『他者が納得できる結末を考える』役には最適かと
 しかし、枝道にそれるけど、実際、自分の脇に千反田の様な娘が居たら…かなり鬱陶しいと思われ
 どんなに美少女でも、そばには居て欲しくないタイプである

 さて、本筋に戻って、1つ目の疑問
『古典部が見た映像にはヒントが完全に揃ってた』が、『視聴者たる我々が見た映像でもヒントは完全に揃ってたか?』と云う事
 古典部が推理展開する図を俯瞰して見てるだけなら、我々にヒントが揃って無くとも問題は無いが、このアニメがミステリ作品だとすれば、ソレこそ『ノックスの十戒』、『ダインの二十則』や『チャンドラーの九命題』に反する行為で、ミステリである事を捨てた事になる
 まぁソレならソレで今後この作品をミステリとして見なければ良いだけなのだが…

 取り敢えず、此処はクリアした事を前提に話を進める
 先日放映(最速は日曜深夜だが、関東圏では昨晩)された第9話を見て、更に思う所が増えた(故に今回書き始めたのだが)
 高校2年生って、こんなにミステリってモノの定義が判らなかったっけ?

 と、云うのも今回の9話で登場した3人のスタッフだが、作品の提供側であり、脚本にミステリを求めた筈の人間がコンな観念で作るのだ、そりゃ真っ当な物は出来そうもない
 1人目に意見交換した助監の彼は『トリックナンザどうでも良い、最後に断崖絶壁の上で探偵役が問い詰めた際に、涙ながらに自白する等のドラマが有れば問題無い』と云い切る
 ソレは刑事ドラマ又は社会派ドラマと呼ばれる話で『視聴者側には見せない所で突然降って湧いた証拠・証言で事件が解決する』タイプのドラマだ
 ドラマとして、ソレは悪くない…が、決してミステリでは無い
 人が死に、事件が解決すればミステリ…と云う訳ではない
(逆にドイルのホームズシリーズでは圧倒的に人が死ぬ話が少ない。元が新聞の読み物欄の連載小説だった所為も有り、殆どが短編で、その文章内に人死にが出せる程複雑な話が書けなかったのだろう…つまり、人死にが無くともミステリは書けるのだ)

 で、2番目に来た小道具の彼は3人の中では比較的ミステリの定義が正しいと思われる
 完全にHowdunit(ハウダニット…どの様にして犯行出来たのか、を念頭に推理する方法)に傾倒している様に見えるが、ソモソモの論理が穴だらけである
 まぁ彼については『人がぶら下がっても切れないザイルを用意させられた』『脚本では少なめに発注されていた血糊を多く用意し、使用した』と云う情報が有ったので、コレが切っ掛けになるかも知れん
 取り敢えず、推理は使い物にならんが、情報は追加された

 最後は広報担当の彼女だが…コレも勘違いしてないか?
 例えに出した『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』は両方ともスプラッタの代名詞だ
 スプラッタ…日本語では血塗れ映画・血しぶき映画等と云われるが、私は血塗れホラーと呼んでいる
 即ち、肉片や血しぶきが飛び散るだけでなく、ホラーの様相を呈した作品をスプラッタと呼ぶ…と考える
(血しぶきだけならヤクザ映画でも飛ぶしな)
 さて、その観点からコイツも『トリックナンザどうでも良い、『怪人』ならどんな不可能でも可能にする』と云い切る
 エルム街のフレディは最初から悪霊(この時点でオカルトも混じって来る)だが、13日の金曜日でのジェイソンはシリーズ初期は普通に人間なんだが…だから、壁を斧等でブチ破って来る事は有っても壁抜けなんか出来ないし、やらない
 ジェイソンに関して云えば、シリーズ中期以降は落雷のショックで蘇生したり、何やら実験めいた事をされて蘇生したり、果ては心臓だけで生き残り、他者に乗り移ったりとオカルトに走ったのは事実だが

 脚本が上記『十戒』『二十則』『九命題』に沿っていたとしても、製作スタッフが上記の様な観点で作ってりゃ、そりゃ訳判らんモノにもなるわな
 キチンと脚本通りにされた作品で出題編全部を見て置きたいと思ったり…

 さて、後で私の推理も展開したいが、上記のスタッフは原作通りなのか?
 ミステリを執筆する作者がコンなのをミステリのスタッフとして登場させるのは自虐が過ぎないか?
 隣に住んでるマッドサイエンティストの発明品で身を固めたメガネ小学生連れて来いとは云わんが、真っ当にミステリを作家数人分読んだ奴連れて来た方がマシな話が出来るだろう
 結局、推理するのは古典部(ってか折木弟)なのかも知れんが、もう一寸真っ当な推理役を出して欲しいモノだ…推理合戦以前の問題だ
(まぁ私も『読んだ』と云っても横溝・綾辻・島田・クリスティ・ドイル程度で、しかも全作読んだ訳ぢゃ無いのだが…後はFcomic繋がりで太田忠司氏はソレナリに)

 さて、で、私の推理を少々
 話の前後が全くないので、登場人物の人間関係が判らん…故にWhydunit(ホワイダニット=何故犯行に及んだかを念頭に推理する方法)の線での推理は不可能だ
 当然、動機が見付けられないのでWhodunit(誰が犯行したのかを念頭に以下略)も見付けづらい
 となると、2番目の小道具の彼に習ってHowdunitで推理するしか無くなる
 彼はザイルが注文された事を根拠に、コレが犯行に使われたと確信、2階から宙吊りで犯行現場に到着し、犯行後もザイルを伝って2階に上がったと推理した
 コレは古典部が否定した様に無理だ
 取り敢えず、上記『視聴した画像にヒントが全部ある』との観点で見ると、密室成立の条件は3つと思う
1.ドアにカギが掛かってた
2.遺体とは離れて千切られてた腕の近くに鍵が有った
3.外に繋がる窓は建てつけが悪く、ナンとか開けても外に足跡等は無かった
併せて云えば、あと1点
4.下手袖部屋・舞台に繋がる通路は両方ともガラクタ放置の状態で使えなかった
 も、有るか

 さて、この状況で古典的な密室作成方法は2つ
1.ドアノブを触っていたのは1人のみ…この証言が嘘ならば?(犯人はドアノブを触ってた彼)
2.犯行後、鍵を持って外に出て、全員が死体に注目している隙に鍵を置く(この場合、死体に駆け寄ってからフレームアウトしてない人間を除いた全員が容疑者)
 となる

 しかし、死因も不明(腕と死体に大量出血が有ったが、失血死ってのは基本死ぬまでに結構時間掛かるぞ? 腕千切られてショックっても気絶してる間に失血死? 襲われた方はナニも騒がずにイキナリ気絶?)だし、何処から推理すれば良いのか皆目判らん
 あぁ、最悪の推理として『3.自殺』ってのも有るが、コレは上記『ダインの二十則』に反している
 入須の云う通り、脚本家がコレを勉強し、その法則に則っているならば却下である

 公式サイトでは少なくともこの話はあと2話(第11話まで)は続く様なので、今の段階で推理出来れば大したものだが、上記の通り『見た映像作品でヒントが全部揃っている』ならば可能かと思った訳だ
 …まぁ私が灰色の脳細胞を持っていない事は判ってたけどねwww
 取り敢えず、私の推理は蛇足で、最初の命題『我々が視聴した映像で推理は可能か』と『ミステリ作品を検討するキャラで此処までミステリが判って無い設定を出した作者の意図は』の2点だが…この話が解決する際に納得できるかなぁ…

 と、云う事で字数も適当になったかな?
 次週以降、ナニか思う所が有れば書くだろうが、無いかも知れんwww
 ソレまで皆様、御多幸を^^

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コメント

待ちきれずに原作を読んでしまった人間が通りますよw


○疑問1『我々が視聴した映像で推理は可能か』
 原作を読んだ後で見直して見ましたが、推理をする上での情報はビデオに提示されていますが、真相に辿り着くには補足情報が必要。
 ただ、それは「氷菓」のアニメ本編の作中自体においては、必要な情報は視聴者にも全て提示されてますので、現時点で視聴者が知りえない情報はありません。
 その代わり、注意深く見ないと気付かなかったり、記号が記されていたシャーロックホームズの冒険の各タイトルの内容をある程度把握して無いと判らなかったりしますが。
(そういう意味では完全に提示されていないとも言えますが、多分ネタバレになるので避けたかったのかも)
(なお、肝心な部分に関しては、解決部分でネタバレにならない程度で提示されます)

 余談ですが、『氷菓』編でも問題編の時点で結構細かいトコに肝心の部分が提示されていて、原作読んだ後に見直してみたら「あ。こんなトコにちゃんと出てたよ…」ってのがあったりします。
 図書館の先生の名前か。

○疑問2『ミステリ作品を検討するキャラで此処までミステリが判って無い設定を出した作者の意図は』
 作者の意図は計り知れませんが、推理合戦した、助監督・小道具・広報のスタッフは原作通りです。
 まぁ実際のスタッフとしての資質は確かにアレですが、話を進める上では必要な人選だったのかも。
 これ以上はネタバレになるので伏せておきますねw


 『愚者のエンドロール』編があと2話だとすると、多分次はあそこまで、その次はあそこまで、と大体推測出来ますが、それを言うのもネタバレっぽい気がするのでコレも割愛しますw

 まぁ、結構期待してもいいんじゃないかと思いますよ。

投稿: LIB. | 2012年6月22日 (金) 00時37分

Shot>LIB.さん
 コメント感謝

 明日(今日?)は会議三昧で忙しい予定なので自宅からwww
 なるほど、現時点での2話を注意深く見ればヒントは全部提示されてる訳ですね…
 あと必要なものは…やはり灰色の脳細胞が欲しいなwww

 で、wikiで今回の話は『アントニー・バークリーの『毒入りチョコレート事件』へのオマージュ』と書いてあります
 この作品は当然未読ですが、コレもwikiで見てみると、どぉも事件解決の手段に一種のブレインストーミングを行ってみる…と云った感じの様です
 まぁ確かにブレストの場合、ドンな屑意見も否定せずに受け入れるのが前提ですからコレも有りですが…でも真っ当なミステリ愛好家…と云うか、そう云うのも欲しかったなぁ…と

 兎に角、情報提供感謝です
 あと2~3話で愚者のエンドロール編は終わると思いますので、楽しみみしてみます

投稿: 毘沙門天松茸 | 2012年6月22日 (金) 01時33分

ううむ、「氷菓」は好きなんだが8話以降をまだ忙しくて見てないんで書くことがないよう。
面白そうなのはわかったから楽しみにしてます。

投稿: あひる | 2012年6月30日 (土) 09時47分

Shot>あひる提督
 コメント感謝です
 亀レス御容赦願います

 人が死なないミステリ…まぁ高校生活の中で、自然死以外(家族の病死・老衰等以外)の死が頻繁に起きる筈が無い(まぁソレ云っちゃ、警察・消防等や刑事事件専門の探偵以外、頻繁に人の死を見る職業も無い筈ですが)…それでも世界は謎に満ちている、と云う考えは嫌いでは無いです
 ただ、本文にも有りますが、千反田は個人的にかなり鬱陶しいです…気になるなら自分で考えろよ…と
 他者に推理することを押し付けんぢゃね~、と(私は折木寄りの考え…所謂『省エネ主義』は結構賛成なので)思いますので、自らをデータベースと揶揄して情報提供のみで推理丸投げの福部も得意な種類の人間では有りません
 そう云う意味では、古典部には残念な面子しか集まって無いとも云えると思いますが

 で、5話までと云う事は丁度『氷菓』が終わった所までですね
 6・7話は本文の通り短編をそれぞれ映像化(コレは原作の発表順では無く物語の時系列順にした結果ですかね…良く判らないですが)しており、1年1学期中の話となってますね
(あれ? 7話の『正体見たり』は夏休み中? 泊り掛けで温泉旅行ってのは土日使ったか夏休み使ったかどっちだっけかな?)
 で、愚者のエンドロールは夏休み→文化祭(2学期)に掛けての話になってます
 更に12話以降は文化祭当日っぽいのでクドリャフカの順番編が始まるんでしょう

 取り敢えず、11話の愚者のエンドロールが関東圏で放映される水曜日以降に今回の4話について更にまとめた話を上げたいと思います
(チト誘惑に負けて、本文アップ後に原作小説の10話・11話部分とネタバレサイトを見て仕舞いましたので、此処で書くのはチト卑怯かな、と思いますので)

 提督の視聴がナンで停滞したかは判りませんが、見れるなら8~11話は一気に見た方が良いかも知れません
(自分で推理展開するなら8・9話で一度止めて考察してから10話以降がベストかな…)
 取り敢えず、この件は木曜以降のアップで^^

投稿: 毘沙門天松茸 | 2012年7月 2日 (月) 09時45分

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